大判例

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旭川地方裁判所 昭和40年(ヲ)119号・昭40年(ル)98号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔決定理由〕よつて考えて見るに、担保物権の物上代位は、公平の観念から認められるものであり、担保物権の優先的効力が、物の変化すなわち価値の転換のため消滅してしまうことが、担保物権者と担保物所有者との間の公平を欠く場合、すなわち、何らかの原因によつて担保物権者の把握する担保物の価値が滅失、減少したのに、所有者は別の価値を取得するにかかわらず担保の拘束を免れ、他方担保物権者は優先権を喪失して損害を被ることとなつて、公平を失するという場合に限つて、認められるべきものであると解する。換言すれば本来の目的物の全部または一部の上に担保物権を行使することができなくなつた場合にのみ認められるべきものであり、したがつて、追及力を有する抵当権にあつては、目的物の全部に追及して本来の権利を行使しうる限り、物上代位は認められないと解すべきである。本件においては、債権者主張の抵当権が有効に存在している限り、その本来の権利を行使することができることは明らかであるから、その抵当権の目的である本件不動産のごときものに対して物上代位権を行使することはできないものといわざるを得ず、したがつて、その物上代位権の行使としての本件差押並びに取立命令申請は他の点について考えるまでもなく、それ自体失当であるからこれを却下すべく、よつて主文のとおり決定する。(青木昌隆)

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